母から、久しぶりにSさんのお話を聞けたので追記いたします。
(結構、前回の記事を検索で見てくださっている方がいらっしゃるようで)
O先生からの言葉
Sさんは、あれから薬の処方をいろいろと変えてもらったりして、O耳鼻科へ通い続けたそうです。
通院から2か月。
先生からついに「これ以上のことは、しても意味が無いですね…」と言われたそうです。
ちなみにO耳鼻科の『O先生』は、総合病院の耳鼻科で長年務めていらっしゃった『お爺ちゃん先生』です。
プライドの高いSさんは、ご自分と年齢が近い『O先生』を自然と信頼されていたと思います。
80歳を過ぎたSさんは『嗅覚を取り戻すために』希望を持ち、
O耳鼻科まで近くない距離を車で通い、
すごく長い待ち時間を待たされて診察を受けて、処方箋薬局に寄って。
それを2ヶ月間、週1で続けていらっしゃいました。
『納得して、涙が出た』
Sさんはものすごく気丈なお婆様ですが…
Sさん:『先生から、『(高齢なのだから)もう嗅覚を諦めなさい』と言われて。ものスゴくショックだったの』
Sさん:『でも、O先生が誠実に診てくださっていたのは分かっていたから、納得できた』
Sさん:『そして、(もう、しょうがないんだ。)と涙が出たの』
Sさん:『あの先生じゃなかったら、多分・あきらめきれずに他の病院をまわっていたと思うの。でも納得できたから、もういいのよ。』
そう話すSさんは、とても穏やかだったそうです。
医療系のバラエティ番組で、よく『セカンドオピニオンに診てもらわなければ怖いよ~』と、半ば脅しのように面白おかしく放送していますが(バラエティ番組ですもんね)、
年齢のせい・病気のせいで、しょうがなく五感のどれかを喪失するときには、
気持ちよく信じられる先生に、そのタイミングで巡り会えれば本当にラッキーですね。