【嗅覚喪失】80歳代のSさんお話つづき。【治療を諦める瞬間、お年寄りの気持ちは?】

2015-05-24

『高齢者の『鼻が利かない』は痴呆の兆候?』の続きです。

母から、久しぶりにSさんのお話を聞けたので追記いたします。
(結構、前回の記事を検索で見てくださっている方がいらっしゃるようで)

O先生からの言葉


嗅覚を完全に失ったSさん。

Sさんは、あれから薬の処方をいろいろと変えてもらったりして、O耳鼻科へ通い続けたそうです。

通院から2か月。

先生からついに「これ以上のことは、しても意味が無いですね…」と言われたそうです。

ちなみにO耳鼻科の『O先生』は、総合病院の耳鼻科で長年務めていらっしゃった『お爺ちゃん先生』です。

プライドの高いSさんは、ご自分と年齢が近い『O先生』を自然と信頼されていたと思います。

80歳を過ぎたSさんは『嗅覚を取り戻すために』希望を持ち、

O耳鼻科まで近くない距離を車で通い、

すごく長い待ち時間を待たされて診察を受けて、処方箋薬局に寄って。

それを2ヶ月間、週1で続けていらっしゃいました。

『納得して、涙が出た』

Sさんはものすごく気丈なお婆様ですが…

Sさん:『先生から、『(高齢なのだから)もう嗅覚を諦めなさい』と言われて。ものスゴくショックだったの』
Sさん:『でも、O先生が誠実に診てくださっていたのは分かっていたから、納得できた』
Sさん:『そして、(もう、しょうがないんだ。)と涙が出たの』
Sさん:『あの先生じゃなかったら、多分・あきらめきれずに他の病院をまわっていたと思うの。でも納得できたから、もういいのよ。』

そう話すSさんは、とても穏やかだったそうです。

医療系のバラエティ番組で、よく『セカンドオピニオンに診てもらわなければ怖いよ~』と、半ば脅しのように面白おかしく放送していますが(バラエティ番組ですもんね)、

年齢のせい・病気のせいで、しょうがなく五感のどれかを喪失するときには、

気持ちよく信じられる先生に、そのタイミングで巡り会えれば本当にラッキーですね。

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