こんな事例もあるんだな、というお話をひとつ。
かっこん母のサークル仲間で、80歳代のSさんという女性がいらっしゃいます。
Sさんは曲がったことが大嫌いな方で、料理も家事もサークル活動も活発にこなす完璧主義な女性です。
そんなSさんが5年以上前から、
『どうやらSさんは鼻が利かないらしい』
‥と周囲から、思われるようになりました。
なぜかというと、
Sさんの持ち物から、独特のニオイがする…というのです。
私は知らないのでなんとも言えませんが、母いわく『おうちのニオイのような‥』とのこと。
Sさんだなと分かる、独特なニオイだったそうです。
“ご本人は気付いていらっしゃらないんだな”‥と周囲の人間は、黙っていたそうです。
ついに本人が自覚する
そしてそれから2~3年後。
その方がついに、
‥と、母とごく親しい周囲のお友達におっしゃられたのだそうです。
皆さん、ご存知でしょうか。
痴呆の初期症状の典型が、『鼻が利かなくなる』であること。
そして、さらに。
半年前ぐらい前から、
普段とても気丈なSさんが、ポロリとこぼしたそうなのです。
私は、何年も前からSさんの経過を(母から聞いて)知っていたので、
‥と、悲しく思っておりました。
Sさんが決断する
そして、おとといの夜。
Sさんから母に、おりいって電話がかかってきました。
そこで、母は評判の良い『O耳鼻科』を紹介いたしました。
私、昨日1日ドキドキでした。
果たして、どんな結果がでるのか。
気丈なSさんが、結果にショックを受けないか。
Sさんの報告は?
Sさんは初診を受けた夜に、結果をメールで報告してくださったそうです(イマドキの80代はメールで報告されます)
結果は『単に、鼻の機能的な障害である』とのこと。
それを聞いて、私と母で安心したと同時に、ビックリいたしました。
ザックリとした説明しか聞いておりませんが、障害の内容は、
- 『嗅覚を感じる穴』が炎症してふさがり続けた結果、
- 石灰化して詰まってしまった。
- そのせいでニオイを感じることができない
‥のだそうです。
早ければ完治できていた?
いつからニオイを感じないか?と先生から質問されて、
Sさんは1年前からですと返答すると、
⚠ 症状が出たのちにすぐに通院していれば、完治できた可能性があるようです。
祖父母・父母さまが『鼻が利かないのでは?』と思われたら、ぜひ耳鼻科へ来院されるようすすめてください❗(できるのなら、付き添ってあげてください)
Sさんの反応は?
ちなみに、Sさんはこの結果にホッとしていたようです。
『とっても良い先生を紹介してくださってありがとう』とおっしゃられていたとのこと。Sさんも頭のどこかに、痴呆の心配があったのでしょうか‥
今回の件に関しては、痴呆がどうとか脳萎縮がどうとかいう話にならず、単純に嗅覚を失うというハナシで良かった…というお話でした。
Sさんは今後、週一程度で通院されるみたいです。
外科的なことは、ご高齢だからということでされないようです。