2021年12月22日発売のフジリューver. 銀河英雄伝説第22巻、あらすじ感想まいります。
22巻の表紙は…
表紙は戴冠式のラインハルト。
まだまだ、遥か高みをめざす気迫を感じますよネ🙂
前巻の感想を3行で
ローエングラム艦隊は
ミッターマイヤー・ロイエンタール・ビッテンフェルトがいるけど、
同盟だってキャゼルヌ・フレデリカ・シェーンコップ…あとはなんだろう、とにかくスゴいよ
#183 ローエングラム帝国元帥 首都星オーディン ジーク・カイザー
ヤン艦隊は降伏勧告を受け入れた。
同盟艦隊は完全に攻撃をやめ、全艦が停止する。
ヤンは自分の決断に、多少の後悔があるのだろうか。プロポーズしたてのフレデリカに応援されてホッとした様子だ。
待機していたヤンに、帝国から通信が入る。
『ローエングラム公がヤンとの会見を求めている』
全員に緊張が走る。
シャトルに乗り込み、総旗艦ブリュンヒルトに向かうヤン。
💡ブリュンヒルトでは
シャトル搭乗口で、ミュラーがヤンの出迎え待機中。
そんな中、ミュラーの副官たちがおしゃべりしている。
『メルカッツ提督が戦死⁉』
どうやら戦死者リストに名前があったそうな。
メルカッツの隣にはシュナイダーの写真もある。他の写真を見るに、帝国軍服を着用している軍人だらけなので、メルカッツは亡命者を率いていたようす
『惜しい人を亡くした…』と部下の話を黙って聞いてたミュラーだったが、
視線の先に不審な人物が『のそのそのそ』と現れた。
副官A:『…何だアレは?』
副官B:『整備士の助手か何かか?』
ミュラー:『ヤン閣下ですね』
副官ABC:『えぇっ⁉』
ミュラーはヤンを丁寧に出迎え、ラインハルトの元へ引率する。…が、その心中は穏やかではなかった。
それでも『鋼鉄の自制心』によって、その心情は微塵も表さなかったという(さすが鉄壁)
ミュラーに導かれ、通された部屋にはラインハルトが待機していた。
ヤンを迎えるために立ち上がるラインハルト。
ラインハルト:『卿にはぜひ一度、会ってみたいと長いこと思っていた…座ってくれ』
すると、ギクシャクとエミールがコーヒーを運んできてくれた。
あまりにギクシャクしているため、さすがのヤンも不審な目で見てしまう ←話がブレることをいとわない藤崎神である。
ラインハルトは単刀直入に、ヤンに自身の想いを伝える。
ラインハルト:『私につかえないか』
こう言われたヤンは、さして動揺を見せなかった。想定内だったのかもしれない。
ヤンの返事は、
ヤン:『身に余る光栄ですが、辞退させていただきます。私はおそらく、閣下のお役には立てないと思いますので』
ラインハルトも、この返事は想定内だったようだ。冷静に問い返す。
『謙遜か?それとも私は主君としての魅力に欠けるか?』
ヤン:『今すぐ軍服を変えることはできそうにないのです(帝国軍服にあわんし)』
ラインハルトは、同盟のあり方について疑問をヤンにぶつける。
『民主共和制とは、人民が自由意志によって自分たちの制度と精神をおとしめる政体(トリューヒニトのような輩をのさばらせる)ではないのか?』
図星をつかれてグッときてしまうヤン。
『かたや帝国の政治は、ときに暴君が出現するからといって、強力な指導性をもつ政治の功を否定することはできまい』
ヤン:『私はできます』
ヤンいわく、民主共和制は不満がおきたときに自己責任で納得できるが、専制政治はそうはいかない。
…と言われたラインハルトは『卿の意見は極端だな』と納得しかねている。
ヤンは、聡明な君主かつ・前線で戦い続けるラインハルトは特異な例だよと伝えると、ラインハルトは素直に喜ぶ。
…ラインハルトはふと・キルヒアイスを思い出し、偲ぶ。ラインハルトは、これ以上の『同盟との無駄な戦闘』を避けたいという。
ラインハルト:『そこでひとつ聞いておきたい。卿を自由の身にしたら、卿は今後どうするか?』
ヤン:『退役します(即答)』
さすがに想定外だったか、呆気にとられるラインハルト…だが・思考停止したのちに、微笑み、うなずく。
ラインハルト:『ヤン提督、今日は話せてよかった。また折を見てこのような場を設けたいものだ』
💡帰途のシャトルにて
ヤンは、ラインハルトの指摘(民主共和制の欠点)を思い出していた。
ヤン:『じわじわ自分の首を自分で締めるのがいいのか、てっとりばやく支配者に首を絞めてもらうのがいいのか』
『これから将来も、はたして明快な回答を得る日が来るのだろうか』
💡宇宙暦755年 帝国暦490年5月12日
同盟首都星ハイネセンにて。
帝国軍人により『ジークカイザー・ラインハルト!!』と熱狂的に迎えられつつ、ラインハルトがついにハイネセンに降り立った。
先制してハイネセンで活動していたミッターマイヤーとロイエンタールが出迎える。
彼らの報告によると、幼帝エルウィン・ヨーゼフが行方不明とのこと(意に介さないラインハルトだった)
ラインハルト:『それよりもフロイライン・マリーンドルフは😶?』
それが…と言いづらそうな双璧。
彼女は、自発的にホテルの一室で謹慎中とのこと。
ウォルフ:『閣下の許しもなく、同盟首都の占領を吾々に進言した責任をとるつもりらしいのです』
簡素なビジホに佇むヒルダ‼
早速ヒルダの滞在する『ビジホの一室』を訪ねるラインハルト。
ヒルダはラインハルトを目の前にすると平伏し、
ヒルダ:『出すぎたまねをいたしました』
彼女は責任をとり自害するつもりだという。
ラインハルトは『悔いているのか?』と彼女に問うと、
ヒルダ:『後悔は微塵もございません(キッパリ)』
ラインハルトは納得したようにうなずく。
『フロイライン、私はフロイラインに礼を言う気になれぬ…少し時を貸してくれ』
ラインハルトは、ヒルダが命の恩人であると理解しているという。が、まだ気持ちの整理がついていないとのこと。そして、自害なんてさせたら旧貴族みたいだからイヤだとも付け加えた。
ラインハルト:『行くぞフロイライン、謹慎などしている場合ではない。早急にこの同盟をどうするか会議を開かねばならぬのだ』
あの頑固だったラインハルトが、前向きに未来を切り拓く姿にヒルダは呆然とする。
ラインハルト:『早くせぬか!!😡』
照れた顔で怒鳴りつけるラインハルト、やはり彼にとって精一杯の振る舞いだったのかもしれない。
急ぎ、ラインハルトの後についていくヒルダだった。
💡最高評議会ビルにて
帝国から連れてきた行政専門家たちが、ここで協議している。
意見をまとめると、
同盟の人民は、現在・帝国に対して敵意が強い。なので、完全に占領するには時期尚早。
オーベル:『なにも政治的財政的に破綻している同盟を帝国が抱え込むこともありますまい(早口)』
ラインハルト:『軍事と財政の両翼を奪いつつ、彼らに自治を認めよう』
💡5月25日
帝国と同盟間に『バーラトの和約』が成立した。
同盟側のサインは『同盟元首であるトリューニヒト』により行われ、彼はその直後に『敗戦の責任をとる』という名目で、辞任した(→トリューニヒトはこの後ちゃっかりとオーディンに移住する)
こうして同盟は、帝国の『属国』となった。
高等弁務官としてレンネンカンプがハイネセンに残り(Mr.レンネン、イヤな予感しかしない😅)、
ラインハルトは艦隊を率いて、早々に本国へ凱旋していった。
これにより『神々の黄昏』は終結した。
💡首都星オーディン
『ジークカイザー・ジークライヒ』の絶叫に出迎えられるブリュンヒルト。
山荘から、アンネローゼも見つめている。
💡ノイエ・サンスーシにて
オーベルシュタインが訪ねた人物は、
女帝カザリン・ケートヘン(一歳八か月)。
オーベルシュタインは女帝の父ペクニッツ公爵へ、ぶしつけに書類を差し出した。
オーベ:『女帝の親権者としてこの2枚に署名せよ(強制)』
この2枚は『女帝の退位宣言書』と
『帝位をローエングラム公に譲る宣言書』だった。
あらがうこともできず、ペクニッツ公爵が署名を終えると…
オーベルシュタインは満足したようにニターーーーーっと微笑むのであった。
これにより490年続いたゴールデンバウム王朝が終わった。
💡6月22日 ノイエ・サンスーシにて
新皇帝ラインハルトの即位&戴冠式が行われた。
そこには、ジークとアンネローゼの姿はない。
ラインハルトは自ら王冠を手にし、
自ら王冠を戴いた。
ローエングラム王朝がここにはじまる
#184 市民ユリアン・ミンツ 同盟~帝国 地球へ
💡どこかの一室にて
総大主教と呼ばれる人物が、部下から『ローエングラム公が同盟を征服し皇帝に即位した』と報告を受けている。
そう告げられた総大主教は『ほうっておけ』と意に介さないようす…
💡ハイネセンにて
前任のトリューニヒトに代わり、最高評議会議長に就任したジョアン・レベロが、同盟市民を鼓舞し演説している。
レベロ:『📢戦争の敗北がすなわち、同盟の消滅というわけではない!我々は新たな一歩を踏み出し…』
ユリアンいわく、
ビュコックはこの機会に退役。
アイランズ国防長官は燃え尽きて覚醒が終了。👇元の姿に戻っていた。
WIKIによると、アイランズは『半ば廃人となった後に病床についた』➡その後の消息は不明
ユリアンとマシュンゴも退役したのだが、なぜか一緒に行動している(ユリアン中尉と呼んでしまうマシュンゴであった)
💡ハイネセン郊外にて
花嫁・花婿がガーデン・ウェディングを開催中!
その二人はヤンとフレデリカだった。
フレデリカ側の参列者には、いつぞやの友人5人衆女子軍団が。
ヤン側の参列者には、シェーンコップ・キャゼルヌ・アッテンボロー・マシュンゴ・ユリアン。
キャゼ:『あれじゃ姫君と従者だ…ヤンのやつ、今にしてみるとまだ軍服のほうが似合っていたのか…』
冷ややかに眺めるキャゼルヌ。
ムライさん達にも見せたかった、
というユリアンにキャゼルヌは、
先輩:『軍の幹部が一か所に集まっては帝国によく思われんだろう』
軍から参列しているのはキャゼルヌ先輩のみ。
なんとシェーンコップとアッテンボローの二人も退役したのだという。
キャゼ先輩もどさくさで退役届を出したのだが、不受理になったのだそうな(先輩お疲れ様です)
💡逆に軍に残ったのは
ムライ、フィッシャー、パトリチェフ、ラルフ・カールセン…彼らは自宅待機を命じられているのだという。
そして当然ながら、ヤン夫妻もめでたく退役した。
いろんな意味で先輩:『ついに憧れの年金生活に入るというわけだ』
そこに突如・花束を手にして颯爽と登場した人物は、ヤンの幼馴染&フェザーン商人のボリス・コーネフ(相変わらずの無駄にイケメン)。
彼はユリアンとマシュンゴを地球に連れていくという。
『なんでまた地球なぞに?』というヤンの問いに、ユリアンは『地球教の総本山を見学して、知見を広めたいから😃』と答える。
フレデリカ:『でもユリアン、必ず無事に帰ってくるのよ!あなたの家はここにあるんだから😄!』
はい!と嬉しそうに返事するユリアン。
ヤン:『そうだユリアン、どうせ行くならひとつ頼まれてくれないか?』
…ということで、ユリアン達はボリスの商船『親不孝号』に乗り込み、出立した。
💡ちなみに
ラインハルトの御触れにより、
・フェザーン船籍の宇宙船は自由に宇宙空間を飛行できる。
・フェザーン人の行動の自由は保障するとのこと。
同盟人は帝国領に入ることはできないので、ユリアン達は『旅行中はフェザーン人』という設定である。
しばらく走行すると、親不孝号は帝国の巡視艇によって走行停止を命じられた。
💡巡視艇の仕事は、以下の監視。
・武器
・習慣性薬物
・商品としての人間
…以上を積載していないか
ここで特筆すべきは、
帝国軍人を相手にするボリスである。
ふにゃふにゃの人当たりの良さに特化した人物になる。
ユリ&マシュ:(この人・本物の商人だ…)
帝国は現状で『同盟の領土を認めている』とはいえども、バーラトの和約によりガンダルヴァ星域(フェザーン回廊同盟出口)を中心に確固たる領土を築いている。
ちなみにガンダルヴァ星域の司令官はシュタインメッツ上級大将。Mr.レンネンもそうだが、神々の黄昏時にヤン艦隊にボロボロにされた大将たちに同盟の監視を担わせて、活躍の機会を与えているそうな
首都星ハイネセンを旅立ったユリアン達は、ヤンのお使いで『ポレヴィト星系』へ寄り道する。
💡ダヤン・ハーン
ポレヴィト星系には100年以上前に放棄された浮遊補給基地『ダヤン・ハーン』が存在している。
ユリアンが暗号文を発信すると、一機のスパルタニアンが出迎えた。
ポプラン:『やぁ・お若いの!恋人の1ダースぐらいはできたか😁!?』
ポプランの案内により、親不孝号はダヤン・ハーン内部へ侵入する。
そこには同盟の戦艦60隻が潜んでいた。
ちなみに同盟の戦艦は『帝国との取り決めで全て爆破される予定』とのこと
ボリス:『なのにこんなに武力を隠し持ってやがったとはな!ヤンのやつあんなツラして過激なやつだ!』
宇宙船から降り、司令室に入ると…
死んだはずのメルカッツとシュナイダーが敬礼して出迎える。
💡2人が生きていた顛末
ヤンは、停戦の直後にメルカッツの進路もちゃんと憂慮していた。
ヤン:『同盟政府があなたを帝国軍にさしだして、媚を売ることは充分に考えられます』
シュナ:『なっ…!!(ぐっ)』
険しい表情のメルカッツ。
ヤンはこの時に帝国軍の目を誤魔化せるMAXの60隻を連れて、メルカッツを脱出させており、彼らを戦死扱いとして報告していた。
しかし・脱出したものの、
今後どうするつもりなのだろう…と不安がるシュナイダー。
ユリアンが今回、訪問した理由はヤンからメルカッツへの伝言係だった。
ユリ:『7月16日、レサヴィク星系の空間で1,820隻の艦が爆破されることになっています』
『ゆえにメルカッツ独立艦隊の善処を期待する…とのことです😃!』
メルカッツは彼にしては超絶珍しく、
ニヤリと笑った。
『なるほど、善処か。よくわかった😃』
それを見て不穏な空気になるシュナイダー。
シュナ:『メルカッツ提督が同盟の毒気にあてられてユーモアに反応するようになっておられる…!私のメルカッツ提督がどんどん変わってゆく…!』
【喜びと戸惑いのはざま】
ユリアンいわく、
ヤンはその考えを全てを語ってくれないという。
しかし、どうやら機を見て行動するつもりはあるらしい(5〜6年は見ているようだ)
💡宇宙船へ乗り込む帰途にて。
ボリス:『ヤンのやつ真っ黒だな!帝国に歯向かう気マンマンじゃねぇか!』
ユリアン:『民主主義の灯を絶やさないためです!』
彼らはこのままラインハルトの言いなりになるつもりはないようだ。
…すると、
ポプラン:『待てユリアン!俺も地球に行くぜ!』
ポプランは『女を求めて』地球に行きたいのだと言う(地球教徒でもいいんかい)
その前にユリアンに会わせたい人物がいると言うのでポプランに着いて行くと…
狭い構造物の間を縫うように、巧みに訓練飛行するスパルタニアンが。
機体から降り立ったのは、
クロイツェル伍長と呼ばれる小柄な人物。
彼女はカーテローゼ・フォン・クロイツェル伍長…通称カリンだった。
カリンはユリアンに軽く挨拶をすると、興味なさげに早々に退出する。
彼女の可憐な容姿を(なぜか)ドヤるポプラン。
彼は『15歳は守備範囲』ということで、ユリアンに譲りたいようだ。(熱心なポプランにボリスが『なんでこんな熱心なんだ』と引いている笑)
ユリアンは、カリンが誰かに似ているけど…誰だっけ?と引っかかる。カリンは家庭事情を一切話さないのだそうな。
一方でカリンは『ユリアンなんて興味ない』という感想であった。
💡その後の親不孝号は
フェザーン回廊を進み、惑星フェザーンでボリスが商売の荷物を積み込む。
ボリスはしっかり地球で商売をする予定である。
上空から、初めて見るフェザーンの建造物の豪華さに目を見張るユリアンとポプランだった。
その後にフェザーンを出立し、帝国領に侵入。
地球のある太陽系まで2か月かけて飛行すると…
ついに、目の前に地球が現れた。
親不孝号は、地球教総本山近くのヒマラヤの北方に着陸した。
💡ハイネセン・ホテルシャングリラ
高等弁務官を務めるレンネンカンプは、隠居生活に勤しむヤンに『あのペテン師・必ず何かしでかす!』と不審な目を向けている。
💡帝国首都星オーディンにて
どこかの一室にて、地球教オーディン支部が集会中。
『皇帝ラインハルトを暗殺せよ』