【ザックリ解説】黄砂はドコから発生する?なぜ春先だけ発生するの?【黄砂にメリットが!?】

黄砂にお悩みの方‥そうじゃない方も『黄砂ってなんなのさとギモンに思われたことがあるのではないでしょうか?

今回、お昼のTV番組『ひるおび』で紹介された『黄砂』のナゾを、ザックリまとめて紹介させていただきます!

今回の内容は2023/4/14のTBS『ひるおび』で放送された内容を紹介

黄砂とは?いつからあった?

黄砂は春先に多く見られる、気象現象の1つ。
中国大陸・内陸部の砂漠地域で、
風によって巻き上げられた砂が偏西風に乗って日本に飛来する(現象環境省:考査問題検討会報告書より)

黄砂は、昔から中国で厄介者とされてきた。
中国紀元前 1150年頃、すでに歴史書の中に塵雨(じんう)という言葉で登場している。

黄砂は中国語で『さじんぼう』
漢字は➡沙(すな)小に土(ほこり)暴(暴力的)と表記される

自然災害や健康被害を起こすことが、当時の文献に記載されていた。
韓国でも西暦174年に黄砂、現象について記録に残っている。

その当時は『神様が土粉を振りまいたために発生するもの』と信じられ、恐れられていた。

日本では、古文書などに『泥雨』『紅雪』、などと表記されて観測記録が残されている。

詩の世界では『霾(つちふる)』、という言葉で春の季語で使われていた。

中国大陸では、砂嵐の壁が迫るいきおいで黄砂が吹いてくる。

💡大陸の方では、濃度が濃く大きく荒い粒子が落下する。➡日本ではちょっと薄まって、小さい粒子が飛来する

黄砂のアレコレ…洗濯物の外干しイイの?

💡黄砂が飛ぶと乾燥する
昔から黄砂は飛んできていたが、今問題なのは化学物質を含んで飛来してきている点(後述)

💡黄砂の観測は、気象庁の職員が目視で行っている。

💡 ちりやほこり、黄砂が混じって霞んでいる

💡 洗濯物は外干すると、黄砂の『小さい粒子』が洗濯物の繊維の奥に入り込んでしまって、なかなか取れない ➡ もう一回洗ったほうがいいレベル

💡 激しい雨☔が降ると、黄砂を洗い流してくれるが、中途半端な雨だとべっとりと付着してしまう(上空にある黄砂と雨が混ざって一緒に降ってくる)

黄砂が飛来するながれは?

Q. なんで黄砂が飛来しているの?

ゴビ砂漠で上空高くまで舞い上がった砂塵が、偏西風によって東に流され、日本まで到達する。

ちなみに、日本に飛来する黄砂のほとんどは『ゴビ砂漠』からのものだそうです

Q. なぜモンゴルのこの地帯に砂漠があるのか?

モンゴル地域…タクラマカン砂漠やゴビ砂漠がどうしてあるのか?と言うと、

ヒマラヤ山脈が、海から吹いてきた湿った空気を遮断してしまうため、乾燥して砂漠化している。

なぜ春先だけ黄砂が飛来するの?

不思議じゃないですか?、
では・なぜ春先だけ黄砂が飛来するの?


ゴビ砂漠は緯度が高いため、
冬になると冷えて(地面が)凍って砂が飛ばない。

💡ところが、
春になり、氷が溶けた段階で
低気圧が来て 風が吹きあれると、黄砂が舞い上がる。

それが偏西風に乗って日本に飛んでくる…というワケである。

モンゴル内陸部で砂漠化が進んでいる

💡モンゴル内部の砂漠化問題
温暖化でどんどん気温が上がってくると、
モンゴルの内陸部が乾燥する➡すると砂漠化が進む。

さらに砂漠化が進む要因として、

💡カシミヤ需要の急増
1990年以降、国際的にカシミヤの需要が高まった。
その結果、カシミヤヤギの飼育数が急増した。

1980年代には400万頭代だったのが1998年には1100万頭。

(以前は数万円したカシミヤセーターが2003年には10,000円以下になった)

・ヤギが増えたことで、発生する問題は?
ヤギには草を根っこまで食べ尽くす習性がある。
その結果、草原が減少してしまう。
毎年約1000平方キロのペース砂漠化が進んでいる。➡ 砂漠を進むことで、乾燥することになる

黄砂のメリットとは?

問題視されている黄砂だが、なんとメリットもある。

📌メリット01:酸性雨の緩和
黄砂は弱アルカリ性なので、酸性雨と混じって中和される➡ 酸性雨を弱める働きがあると言われている

📌メリット02:遠洋を豊かな漁場にする
沿岸は、土の中にある鉄・リンといった栄養素が河川から入り、魚の栄養源となるので肥沃なのだが、

黄砂が遠洋まで飛来することで、その栄養素が海の真ん中まで届くことになる
➡栄養が遠くまで運ばれ、プランクトンの栄養になる

📌メリット03:樹木を育てる
『黄砂のミネラル分』により、ハワイ付近のカウアイ島の森林(ジュラシックパークのロケ地となった)の『樹木の維持』に影響しているのではないかと言われている。

💡黄砂はどこまで飛んでいくのか?
中国のタクラマカン砂漠で発生した黄砂が、13日間で地球を1周したのを観測した(ソースは九州大応用力学研究所の研究チームが発表)

中国の急速な近代化

日本において『黄砂と中国の近代化』の関係は深刻である。

💡中国での大気汚染問題
レアアース工場から立ち上る媒煙(ばいえん…ものを燃やしたときに発生する有害物質などを含む煙)があがり、地元民も困っている。

聖路加大学の大西準教授によると、中国の急速な発展で近年の黄砂には有害な物質も含まれている。

📌黄砂の中に含まれているのは、有害な重金属成分微生物ウィルス
『モンゴルで採取した黄砂』と『汚染物質が付着した黄砂』を比べてみると、黄砂が黄土色なのに対して、汚染物質が付着した高さは黒ずんでいる

2009年には(日本でも?)黄色い黄砂が確認はできていたが、最近確認する黄砂は黒いものばかりであると大西準教授は言う

黄砂の質が変わった

💡黄砂が増えてきて、さらに質が変わってきている
(前述のとおり)砂漠化が進んできて、今までの黄砂よりも量が増えてきているそれが春になると砂嵐が起きて、日本に飛んでくる。

2000年代の後半から中国が急速な高度成長を始めて、人工的な排出物が増えて、黄砂に付着して飛んでくるようになった。

💡黄砂の観測日数は(その年により違いがあるが)2000年代になると、爆発的に黄砂の観測日数が20日を超える日数が増えてきている。

『中国の経済発展とともに、黄砂の量が増えている事は明らか』

黄砂の飛来は減少している?

ただ、矛盾するようだが、
2011年以降は黄砂の量が減っている。

(大西準教授によると)黄砂の量は近年減少傾向にあると有識者は見ていて、研究のほうもだんだんと縮小傾向にあった。

ところが2023年4月の今回のように、気象条件などタイミングがマッチしてしまうと、大量に黄砂が飛来してくる。

💡なぜ砂漠化進んでいるのに、黄砂の現象傾向にあるのか?
黄土高原で、NPO法人等が植林をして砂漠の緑化が進められ、黄土高原由来の黄砂は減ってきている。

今飛んできている黄砂はゴビ砂漠のものが多い(タクラマカン砂漠の黄砂は日本まで届く事は少ないと言われている)

➡なぜゴビ砂漠に植林しないのか?木を育てる環境ではないため、対策するのは非常に難しいとのこと

黄砂の人体への影響とは?

💡黄砂の人体への影響は?
❶黄砂により花粉症症状が悪化する

❷体内に黄砂が入ると目の痒み、鼻水などを引き起こす

❸金属アレルギーを引き起こす
黄砂に付着している金属成分(ニッケルのせい、皮膚炎を引き起こす)がアレルギー症状を引き起こす
➡呼吸器系の疾患、子供・高齢者せきやたんが出る、目や肌などがかゆくなる

黄砂は『花粉爆発』を引き起こす

💡黄砂の飛来と花粉の飛散花粉爆発に注意
(埼玉大学大学院の王教授によると)
ちいさな黄砂が花粉の粒に付着して、花粉の表面が傷つき破裂する『花粉爆発』に注意すべきである。

花粉爆発により『より細くなった花粉の粒子』が爆発的に飛散する(花粉の中に、より小さな花粉の粒子(オービクル)が入っていて、爆発により飛散する)

より小さくなり、体の奥にまで入ってきてしまうのが問題である
(花粉爆発により花粉症を発症する確率が増えるらしい)

通常の花粉ならば鼻の入口でストップされるが、オービクルになると奥まで来てしまう。

花粉爆発は、気管支や肺にも侵入してしまう。
花粉症の人はより重い症状を引き起こす。

黄砂はどう対策すれば良い?

💡黄砂にどう対策すれば良いか?
❶マスクを正しく使う
➡顔とマスクの間をしっかりと密着させる

❷窓を開けない
(前述のとおり、洗濯物の外干しをしない)

❸自治体の出す情報を把握する
黄砂情報|気象庁
黄砂情報|tenki.jp

❹手洗い・うがい・目の洗浄

帰宅したら、すぐに体洗い流すことが大事。
髪の毛にもたくさん付着しているので、頭も洗って欲しい。

帰宅後、服をポンポンと叩くと花粉&黄砂が舞い上がってしまうので、そのまま・すぐに脱いで洗うのが1番良い。

…というところで、以上です。

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